大型台風、ゲリラ豪雨……と近年、被害が拡大してきている水害。しかし地震や火災に比べ、水害は家庭での防災意識がまだまだ浸透していないのが現状です。水害からご自宅を、そしてご自身やご家族の命を守るためのノウハウをご紹介します。
目次
大雨等により河川の水位が上昇することを「河川洪水」といいます。更に水位が上昇し、堤防から水が溢れたり、堤防が決壊して起こる現象を「河川氾濫」といいます。
その場に降った大雨がはけきれずに地表に溢れる「内水氾濫」とは異なり、大量の水が速い速度で一気に市街地へ流れ込み、河川の近くではわずかな時間で住宅等の浸水や倒壊、人的被害が起こるという特徴があります。
一度発生すると広域に被害が及び、数週間にわたって水が引かないのも「河川氾濫」の特徴です。
また、流域内の積雪が大量に解けて河川の水位が上昇することにより引き起こされる洪水を「融雪洪水」といいます。融雪洪水は、4～5月頃に大雨や気温の急上昇などの影響によって発生することが多いです。
ハザードマップポータルサイト：https://disaportal.gsi.go.jp/
大きな河川の近くに住む方にとって重要なのが、河川から水が溢れて起きる河川氾濫への備えです。
河川から溢れた時に危険な場所なのかは、各自治体から河川氾濫のハザードマップが公開されていますので、河川氾濫が起きた時にどれぐらい浸水する可能性がある場所なのか事前に調べておきましょう。
日本の各地域のハザードマップが見れるサイトを上に貼っておきます。参考にしてみてください。
ハザードマップは短時間の豪雨による内水氾濫を想定した内水ハザードマップと、河川からの氾濫を想定した洪水ハザードマップの2種類が公開されている場合があります。
避難情報に耳を傾け、早めの準備と行動を！
自治体が発令する避難情報をご紹介します。
「準備情報」段階でも住宅によっては危険な場合もありますので、常に早めの避難準備を心がけましょう。
- まだ避難が済んでいない場合は、ただちに避難する。
- 外出することが危険な状況で屋内に残っている場合は、屋内で安全確保をする。（水害・土砂災害の場合：建物の斜面とは反対側の2階以上の部屋へ移動する。）
- 一刻も早く避難する。
- 地下空間にいる場合は、速やかに安全な場所へ避難する。
- 避難に時間を要する方（ご高齢の方等）がいる家庭、あるいは危険な地域に住んでいる方は、避難を開始する。
- 気象情報に注意を払い、いつでも避難できるよう準備をする。
- 避難が必要と判断する場合は、避難を開始する。
「避難準備・高齢者等避難開始」が発令された段階から主要な指定緊急避難場所が開設され始めます。夜暗くなってからの避難は危険ですので、日没前の明るいうちに避難を完了できるようにしましょう。
外からの浸水を防ぐ
河川の氾濫で外から家の中へ水が侵入してきます。
溢れた水や泥が流れ込んでくるのを防ぐには、土のうで臨時の壁を作るのが一番効果的です。
玄関はブルーシートの上に土のうを置いて浸水をガード。家にある板と重しで入口をふさぐ止水板も一定の効果があるのでオススメです。
排水溝の逆流に注意
浸水は外からだけじゃなく、家の中からも起こることもあります。その一例がトイレや、排水口からの逆流です。
下水が大雨を処理しきれなくなると、排水溝から汚水が逆流する危険性が高まります。キッチンや浴室、洗濯機は排水溝に、トイレは便器の中に土のうを置くと比較的簡単に逆流を防ぐことができます。
基本的には洪水の可能性がある時は、建物の外には移動しないでください。ただ、浸水の可能性がありますので、「垂直避難」はしておくと良いです。
垂直避難:建物内で出来るだけ高い位置へ移動する事。（2階や屋上など）
避難する際は防災用品や生活用品を持って行く。
水、食料以外にインフラに関する物をお忘れなく。（簡易トイレ、外部バッテリー、予備電池等）
※建物の２階にトイレが無い場合が多く、１階にブレーカーや受電設備が設置されている事が多い事を想定。
浸水したとき、特に水に弱いと言われる簡易トイレは、箱が潰れたり、中身の凝固剤が水分で使えなくなるリスクがあります。
僕の調べた物の中でオススメしたいのがマイレットWR-100です。
マイレットWR-100は内容物がすべてアルミフィルムで真空パックで保護されています。さらに外箱も耐水仕様で重さにも強く、長期保存に向いているのでご家庭に１つあると安心です
〇マイレットWR-100
水に浸かると困る物を退避
生命の危機、というほどでもなく、まだ時間がある場合は、パソコンなどの機械類や、高価なものを上層階へ持ち運びましょう。
時にはやむを得ず、雨の中の避難する必要もあります。土砂崩れの下敷きになってしまう場合や、大規模な水害で水位の低い建物に避難してしまった場合です。最低限のことですが、下記の３点は覚えておくと必ず役に立つと思います。
長靴はＮＧ
意外かもしれませんが、雨だからと言って、長靴を履くのはやめましょう。長靴は非常に歩きにくいため、履きなれた靴でなおかつ脱げにくい物を選びましょう。しかも、長靴は一度水が入ってしまうと危険です。
また、避難所に入り濡れた靴下も脱ぐ事を想定し、予備の靴下やタオルを用意しましょう。カバンの中で濡れてしまわないように、チャック付の袋を持っておくと良いですね。
釣りやアウトドアで使用する防水靴下があれば、普通の靴下→防水靴下→靴の順に履くと濡れにくくなります
〇防水靴下
足元を確認しながら進む。
洪水のときは水位が上がり、足元がよく確認できません。そして水圧でマンホールや側溝の蓋が外れていたり、色々なものが流され道に転がっている可能性があります。長い棒や杖などで足元を確認しながら進んでください。
夜の場合、灯りは各自で身に着ける。
手に持つ懐中電灯ではなく、頭に着けるヘッドランプや首や肩からひもでぶら下げるタイプのライトがあると凄く便利です。足元を照らすことが第一の目的ですが、足を取られて転んでしまった場合なども、灯りが目印となり救助される可能性が高まるからです。
外出中の注意点として「水は低い場所に向かって流れる＝低い場所に向かわない事」が重要です。
- 車で移動中は低い場所（アンダーパス、地下駐車場等）に向かわない。
- 地下街や地下鉄等の地下施設には向かわない、地下にいた場合は早めに上に向かう。
水害が起きてしまい、雨がやむ・水が引くといった事態の鎮静化が見られた場合には、落ち着いて次のような行動をとってください。
- 家族や知人の安否確認
- 自宅や周辺の被害確認
- 被害があった場合は自治体等への被害の報告
被害確認の際のポイントは、写真やメモにより記録を取る事です。つい片付けで頭が一杯になってしまい、罹災証明の手続きの段階になって困るといったケースも見受けられます
今回もCreamblogを読んで頂きありがとうございます。
生活に役立つ情報を他にもたくさん紹介していますので関連記事から気になる記事を読んでみてください。
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